ひめキュン夏の怒涛の遠征ツアー最終日 / 2012年8月12日の記録
始まりがあれば終わりがある。
7月31日に始まった修行遠征の旅も早いものでいつの間にか2週間が過ぎ、最終日の2012年8月12日を迎えていた。( 8月11日までの記録はこちら → ひめキュン夏の怒涛の遠征ツアーを振り返って / 2012年7月31日〜8月11日 )ここまでくると、もはやひめキュンと関東にいるのが日常のような錯覚に陥る。非日常の日々がいつしか日常のようになる。しかし最後に待っていたのはこの遠征で、最も超重量ヘビー級のワンマン、定期公演番外編の昼・夜の二公演である。場所はShibuya O-nest。

初めてShibuya O-nestでひめキュンがワンマンを行ったのが今年の4月2日。平日とはいえ、残念ながらかなり寂しい動員の中で初めてのnestでのライブはひっそりと行われた。翌日4月3日の同会場でのワンマンは、関東地方を襲った嵐によ軒並みアイドルイベントが中止に追い込まれる中、決行され悪天候にも関わらず前日より多くの客を集めた。その後もまいまい生誕祭の会場になる等、ひめキュンにとって東京の箱としてはすっかりお馴染みになったこの場所で2週間遠征のラストをもってくる、ひめキュンの運営は本当に末恐ろしい。同じ会場ということは、それだけ比べられてしまうこと。「同じO-nestだったら前の時の方が…」同じ会場でのライブを重ねるというのは、そういう評価の元にライブを行う事だ。この夏の2週間の修行遠征の成果が、すべて試される日といっても過言ではなかった。

一度も愛媛に帰ることなく過ごした2週間、体調管理は徹底され、少し前に長期離脱していたゆりあの膝の怪我も再発しなかったとはいえ、メンバーのブログにはホームシックな様子が度々綴られたり、ステージ上でも疲れの表情を隠せない事が時折出てきた。そんな状態で迎えたこの大一番の8月12日最終日。正直どういったステージを見せてくれるのかという一抹の不安は、昼の公演であっという間に吹き飛ばされた。
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※多くのヲタで盛況の公演後Shibuya O-nestサイン会




■怒涛のラッシュの昼公演 / 定期公演番外編「大江戸アイドロール!壱の三[真昼の変]」

8/12(日)
ひめキュンフルーツ缶 定期公演番外編「大江戸アイドロール!壱の三[真昼の変]」セットリスト
会場:Shibuya O-nest 開演時間:11:30

00.OPSE
01.ワタシダイイチキボウ
02.ストロベリーKISS
03.愛、my COLOR
自己紹介・MC
04.プラマイゼロの空
05.iの奇蹟
06.リードハート
07.ニュースタイル
たにおくむらまゆりあMC(奥村真友里・谷尾桜子・菊原結里亜)
08.あれ?アレ!!天国
09.クローズフレンド
10.8分の1のブレス
11.恋の微熱
12.恋のプリズン
13.恋愛エネルギー保存の法則
14.YEAH!ふわり羽ばたけ!!
MC
15.恋が止まらない

ENCORE
16.トライアゲイン
17.例えばのモンスター

※変則的7曲連続披露

なんいってもこの昼公演のハイライトは終盤に組まれた「あれ?アレ!!天国→クローズフレンド→8分の1のブレス→恋の微熱→恋のプリズン→恋愛エネルギー保存の法則→YEAH!ふわり羽ばたけ!!」の7曲連続披露!

7曲連続の最初に置かれたのは「あれ?アレ!!天国」というまいまいのソロ曲、続いてほのたんが加わって2人で「クローズドフレンド」を披露。ポップで明るい2曲が続いた後に、そこから残る3人がステージに加わり空気は一転「8分の1のブレス」から「恋の微熱」「恋のプリズン」「恋愛エネルギー保存の法則」「ふわり」と立て続けに定番の盛り上がり曲を連発し一気にO-nestの空気は沸騰!微熱終わりにプリズンへ繋がったあたりから客席からは驚きの声が上がり始め、プリズンが終わりそのまま恋エネがかかって驚きの声は更に大きくなり、恋エネ終わりにふわりのイントロが流れた時の会場のどよめき!思わず自分も「マジかよ!」と声を上げてしまった。2週間の最終日だからといって遠慮など一切無し、手加減ナッシングの構成に興奮と驚きのO-nestの空気は、痛快でさえあった。

もはや「○曲連続披露」という言葉は死語に近く、珍しくもなんともない。それが評価されるような時期はとっくに過ぎた。個人的にも、連続披露する曲の数を増やしていく競争には熱いものを感じつつも、ただ数だけが増えることに重きを置かれ全力感がもてはやされる事態に疑問があった。ただ、この日披露されたひめキュンの7曲連続披露は、まずはソロ曲から始まる変化球が面白かった。この1曲目が始まる前に「7曲連続いくぞー!」というアナウンスが全くなかったのも良かった。ソロ曲、デュエット曲、5人全体曲と段々とステージの人数が増えていく中で誰も次の展開を予想できないまま進んでいった。「まだやるの!?」という驚きが徐々に増幅していき結果的に7曲。あらかじめコースの見えたジェットコースターじゃない、真っ暗の闇の中をやみくもに走る抜けるスリル感に会場は巻き込まれた。これには興奮せざるを得ないw 今までに観たことも聞いたこともない、アイドルの7曲連続披露高!!!「凄ぇ」としか言葉が出なかったw

※初登場・たにおくむらまゆりあMC

この日、急遽初登場したさくらこ&まゆりん&ゆりあの3人MCもこの公演の成功に繋がってる。本人たちがMC苦手(この2週間でしゃべりの方もかなり成長したと感じてるんだけど)で、そのギャップというか緩さも、含めて好きなんだけど、遠征時に長尺のMCは避ける傾向にあった。春のツアーで初めてまゆり&ゆりあの「まゆりあ」MCコーナーが登場したが、今回はさくらこが加わった。さすがリーダー、トークの進行を強く意識して3人の会話をリードするので会話がまわる!と思う時もあれば、さくらことゆんちゃんの間に立っていたまゆりんが、ステージに立っているのを忘れているかのような傍観者っぷり発揮するなど、ぐだぐだにはならない、絶妙なバランスのもとにひめキュンらしいMCコーナーが成立していたと思う。

昼公演はとにかく7曲連続披露をハイライトに熱狂のうちに過ぎ去っていった。そのスピード感はもう、最終日だからどうなんていう言葉を挟む余地がない熱を帯びていた。そして舞台は、この日の夜公演、いよいよ2週間修行遠征の最後のライブへと進んでいく。


■最後まで攻めに攻めた最高のライブ / 定期公演番外編「大江戸アイドロール!壱の四[宵の乱]」

8/12(日)
ひめキュンフルーツ缶 定期公演番外編「大江戸アイドロール!壱の四[宵の乱]」セットリスト
会場:Shibuya O-nest 開演時間:17:00

00.OPSE
01.ワタシダイイチキボウ
02.ストロベリーKISS
03.iの奇蹟
自己紹介・MC
04.恋愛エネルギー保存の法則
05.YEAH!ふわり羽ばたけ!!
06.ひまわり
07.Turn of the world
08.ニュースタイル
たにおくむらまゆりあMC(奥村真友里・谷尾桜子・菊原結里亜)
09.クローズフレンド
10.あれ?アレ!!天国
11.プラマイゼロの空
12.恋のプリズン
13.恋の微熱
MC
14.愛、my COLOR
15.恋が止まらない

ENCORE
16.トライアゲイン
17.例えばのモンスター
18.ひめキュン参上!

※ひめキュンとして現時点での最高峰のライブ構成を魅せたセットリスト

凄まじいセットリストである。最後にこれを持ってこれた事こそがひめキュン2週間の成長の証だと思った。疾走するひめキュンの「今」がすべて詰め込まれたセットリストだと思った。序盤から攻める攻める!序盤2曲はいつもの固定から始まり、3曲目にしていきなり「iの奇蹟」が入ってくる。自己紹介を挟んで恋エネ、そしてふわり…あの…まだライブ始まって5曲なんですけど…終盤の盛り上がり時に披露される定番曲がここで続けて披露されるってどういうこと…この時点で僕の頭パニック。もうセットリストの予想なんてまったくの無意味。次に何がくるか期待する事はここで完全に諦めた。一気に攻めにかかった序盤に、5人の本気を感じたし、全力で応えるヲタで会場は一瞬にしてサウナと化す。文字通りサウナ、空調壊れたんですか?っていうレベルの酸欠状態を僅か5曲で作り上げてあげてしまった。2週間の修行遠征最終公演のステージのまだまだ序盤戦の事である。

ふわりに続いて、渋谷にひまわりの花が咲いた後に始まる「Turn of the world」。明らかにヒートアップしすぎる会場を予想したかのように始まった、ブレーキをかける1曲。静まり返る会場、最初ケチャを打っていた何人かの手もいつの間にか下がりただ全員がステージの5人に釘付けになった。これは凄いライブになる…この時点で鳥肌が止まらない。完全にステージがO-nestの空気を掌握していた。完璧に組まれた曲順とそれを全力でぶつけてくる5人を全身で受け止めるヲタ。緊張の空気に満たされた「Turn of the world」の空気はラストあと少しというところで音響トラブルにより、音が一瞬止まる事で残念ながら少し乱されたものの、すべて集中したステージの緊張した時間を覆すにはあまりに短かった。

続いてニュースタイルが披露され、益々濃いダークな雰囲気に包まれるO-nest。そのまま少し落ち着いた状態で、この日初披露の「たにおくむらまゆりあ」MCへと軟着陸。2週間を振り返る話をした後に、MCの3人が下り、残るまいまいとほのたんが出てきてクローズドフレンド!すっかりこのユニット曲もお馴染みの1曲になっていた。そしてほのたんが捌けてからの「あれ?アレ!!天国」!

まいまい、あなた化物なんですか… ?一体どういう身体の作り方してるんですか?身体のどこにそんなパワー残ってるんですか?おかしい、昼に7曲連続披露(まいまいのみがただひとり7曲すべて参加)してから、なんでそんな動きができるの?ひとりステージに残ったまいまいの躍動感…ステージを左右目一杯使って走りまくって、ほとばしる汗と笑顔、この正真正銘のセンターの威力が遺憾なく発揮されたこのステージ。まいまいヲタじゃないのにもうまいまいの底知れない迫力にこの時は感服せざるを得なかった。センターってこういう事なんだよなと。推しとか推しじゃないとか関係ない、そのグループの顔としている以上、そんなもの関係なく巻き込むカリスマ性と存在感があって初めてセンターなんだと、まいまいこそが今に生きるクラシックなセンターだと、染み染み思った。凄い、凄いよまいまい…

続いてプラマイゼロの空からプリズン、微熱と畳み掛ける。この緩急の使い分けが絶妙…昼公演のように一気に駆け抜けるんではなく、1曲1曲を丁寧にちゃんと見せながら客席を心地良いスピードに乗せて一気に加速させたり緩めたり、また走らせたり。力尽きないギリギリの絶妙なレールに5人とO-nestに集まったヲタは共に進んでいく。そして本編ラスト2曲は「愛、my COLOR」「恋が止まらない」!アルバム曲がこの終盤に置かれるのも珍しい。ラスト手前に「愛、my COLOR」が並ぶセトリは新鮮だった。

アンコールに進む前にひとつこの日のライブを満足度の高いものに導いた大事な忘れてはならない事について。

■お立ち台が産んだO-nestの一体感

この日驚いたのがステージに5人分用意された、お立ち台である。この日の公演の成功をこれなくしては語れない。一体いつそんな準備をする時間があったのか。信じられない。それは驚くほどスムーズに行われた。ほぼどの曲も必ずお立ち台を使う徹底ぷりで自然に行われていた。初めてこの箱で初めてお立ち台を使った、と言ったところでそれは信じてもらえそうにないくらい、いともそれが前からあったかのようにフル活用された。

O-nestは後方からだとステージも天井も低いため、視界がかなり狭くなってしまい見辛い箱である。実際、前回までのO-nestでの定期公演では「楽しかったけどほとんどステージ見れなかった…」という声がよく聞かれた。今回はそのような声が、少なくとも会場でもTwitterのTLでもほとんど観られなかった。

ひめキュンは決して背の大きいユニットではない、それでいて縦ノリなため、前方のヲタが軽く曲に合わせて身体跳ねて手を上げただけでもこの箱では視界がほぼ遮られる。特にまいまいとほのたんは、そんな状態ではほぼ見えなくなってしまう。

そんな2人の顔もこの日はしっかり見えた。基本的には自分が歌うパートではほぼ必ずお立ち台に立つという徹底ぷり。例えば、初めて聞く人であっても、まだソロパートが誰かあやふやな人であっても、誰が今どこで歌ってるか明快なのである。なので皆同じ方向に同じタイミングで視線もケチャも飛ばすことができた。限られた視界の中でヲタが常に同じ方向を進むための道標、または暗闇のライブハウスに浮かぶ灯台のようでもあった。たった、一段メンバーの距離を上げ近づけるこのお立ち台が、会場の一体感を徐々に形作っていた。これも素晴らしいライブ内容を産んだひとつの要因に間違いない。

それは、アンコールのトライアゲインで肩を組み合う時に、ふと会場の後方を見ると会場全体が、最後方の奥のほうまでヲタが肩を組んで笑顔で揺れていた事にすべて象徴されていると思う。あの光景、今思い返しても鳥肌が立つ…前列、後列関係なく会場全体が満足しているライブだった事の何よりの証拠である。

■最終公演、2週間遠征のフィナーレ
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※最終日、やり切った表情のまゆりん Instagram

フィナーレへの序章は本編中のMCから始まっていた。さくらこがまず「これがツアーラストよ!」と切り出して2週間どうだったかという話を始める。その後のMCでも、5人とも共通していたのは「最初はずっと関東にいるのは辛いと思ったし帰りたいと思ったけど、今はそうでもない複雑な気分」であると話していた事。「帰りたいような、帰りたくないような」と言うメンバーもいたし、とにかくみんな「複雑」な気分が共通キーワードだったのが印象的。そんな中ゆんちゃんは「たくさんの人に出会えた」とポジティブにまず確かに得た手応えを口にした。

また、この日新たな言葉がメンバーから正式に認められた

「缶推し」

さくらこが昼公演でのサイン会でファンに誰推しかと聞いた際に「缶推し」と答えられたのがとても新鮮だったらしく、最初は「単推し」と聞き間違えた程だったというエピソードを披露。えらくそれが気に入ってその場でこれからひめキュンの箱推しの人は缶推しと呼ぶことにさくらこリーダーが決定!最後の最後に生まれた5人を愛する言葉に、また会場が盛り上がる。

最初の頃は現場に行く事を「フルーツ缶食べに行く」と言っていた話を聞いたことがあるが、ひめキュン現場ではあまりそのような造語はみられない。歴史が作られていく瞬間に立ち会うことは現場に行く事の大きな醍醐味のひとつである。そんな細やかな言葉の誕生の瞬間に居合わせたO-nestは更に終盤に向けて一体感を高めていく。

アンコールは本編が終わってからすぐに「ひめキュン」コールが発動。まったく冷める気配の無い(正確にいうと空調が効果的に働くレベルに温度が下がらない)会場内の熱気と待ちきれないヲタの欲求が相まって、「ひめキュン」コールの間隔が、テンポがどんどん早くなっていく。早くなってまた戻って、の単調な繰り返しじゃない。しばらく早くなったままそのテンポが維持されてしまうのだ。もうね、意識半分飛びそうな状態でこっちも余力残さず全力でコールしてたらふらふらとしていまいますよ…でも不思議と苦痛ではない。早くなっていくビートと、高まっている感情にのせて自然とその声は出てくる。再び5人の登場を願うコールは一切弱まる気配が無いどころか、どんどん右肩上がりにそのテンションを上げながら、最終章が始まる。

「トライアゲイン」で会場が肩を組みあい、「例えばのモンスター」でまさに会場がひとつのモンスターと化したような異様な一体感のもとにオーラス「ひめキュン参上!」この流れにセットリスト的な驚きはない。会場の多くはもう既にこの3曲の流れを予感していたと思う。でもそんな事は関係なかった。特にモンスターの一体感は異様。日に日に一体化するこの曲での特にオーイングの際のフロアの揃い具合wwww本当に見事みんな身体沈んでてて、狭いO-nestの空間にぽっかりこの時だけ広大な空間が産まれる!誰が決めたわけでも、誰が呼びかけたわけでもない。各自、自由に自分のノリ方で楽しむこの曲で唯一全員が動きの揃う場所。えげつない一体感だった。形容する言葉が思いつかない…ラスト、参上!のイントロがかかった時にいよいよ終わってしまうんだと思った。もうこれ以上は無い。2週間のすべてをここに置いてきたと思った。この曲以外に最後の1曲は考えられない。

再び会場の全員が手を繋いでバンザイをした後に、ヲタから「2週間お疲れ様でした!」の想いを込めてクラッカーを鳴らすささやかなサプライズ。まいまいはもう参上!の時から既に涙ぐんでいたのが、このクラッカーで完全に涙腺決壊。5人は本当に予想外だったみたいで、なんとなく嬉しいという気持ちよりも、ただ驚きの方が大きかったように見えた。その後、ひめキュンプロデューサーの伊賀社長が5人への花束をもってステージに登場。それぞれ花に刺されたメンバーへのメッセージカードを1枚、代表して読みあげてから、ひとつずつメンバーに渡す。

メッセージカードの内容は「2週間本当にお疲れ様でした。安心して地元に戻って下さい。今度は僕たちが愛媛に行きます。ただ、いつでもいいので東京にもよかったら来て下さい。僕たちはいつだってあなたたちの事を楽しみに待っています。」という旨のもの。

その際にそれぞれ、メッセージとしての言葉を貰えたのが嬉しかった。それは各メンバー、喜びと共に上記に書いたような「最初は帰りたかった、でも…」という複雑な想いの元に語られていた。

夏の修行遠征の最後のテープはクラッカーによって切られ、2週間に及んだツアーのすべてのステージは終了した。

■全員が同じスタートラインからスタートしてゴールした2週間

アイドル現場にはそれぞれ固有のルールがある。それぞれの歴史の中で関わったすべての人が創りあげてきたルールがある。それはMIXだったりコールだったりケチャの仕方もタイミングもフリコピもすべて何かしら統制するルールがある。現場に参加する以上そこれを逃れることはできない。CDで聴く分には排除できても空間を支配するその空気の中で鑑賞することを前提とされる。

新年のウィーンフィル等での「ラデツキー行進曲」でもなければ誰もクラシックのコンサート曲中に、あんなにおおっぴろげに手拍子なんてしないかもしれないし、普通に考えればひめキュンフルーツ缶のクローズフレンドだってわざわざ曲中に「ほのほのほのほのたーっん!!」なんてコールしない。それこそがアイドルの個別のカラーを生み出す一因だし、おもしろさである。と同時に、時に障壁となる。このルールに馴染めない人はいくらアイドル本人が好きでも現場から離れてしまうことも少なからずある。

ただこの2週間は違った。既存曲のルールはすでにある、馴染みの決まりごとのようなものがあるかもしれない。でもアルバム曲の初披露と同時にスタートしたこの遠征においては、少なくともこのアルバム曲たちにおいては初心者も古参もなかった。全員が一緒のスタートラインに立った。そしてその環が少しずつ広がりながら最終日に全員一緒にゴールテープを切ったような、そういう感覚だった。参戦した現場の数とか関係ない。現場ごとに、公演毎に成長していく変化していく過程を誰もがこの短期間で実感できた、共有できた。


さくらこがいつの間にかこの2週間の遠征のことを「ツアー」と呼んでいた。この2週間の遠征にツアーなんてお題目まったくないし、最初は2週間の死のロードとか、修行のつもりで2週間いってきますとか、そんな言葉で僕らもメンバーもブログにこの2週間にかける想いを伝えていた。それがいつの間にか「ツアー」と言っていた。「ツアー最終日よ!」どのイベントも不揃いでごっちゃごちゃで一体なんのツアーだよと、思ったけど気が付けば自分もいつの間にかこの遠征の事を「ツアー」と書くようになっていた。

「ツアーは生きもの」と呼ばれる事がある。まさしく、ひめキュンにとってはそのような2週間だった。ムラもあった、決してすべてのイベントが100%満足できるものではなかったかもしれない。でもだからこそ、連日続いた様々なイベントはいつの間にか一連の繋がりを持ち始め、ひとつの物語性を帯び始める。予め決められたツアーが生きもに化けたのではなく、いつの間にか生きものと化した日々の繋がりがツアーという言葉を産むことになったと思う。

すべてのライブにおいてオープニング1曲目にワタシダイイチキボウ、2曲目にストロベリーKISSを置いた事でそれは実現できた。この2曲がひとつの指標になった。この2曲の成長と進化と時に起きたスピードダウン。県外においてはまだその知名度も集客力もまだまだなひめキュンだからこそ実現できた、実感できた事かもしれない。その成果はこの日の夜公演、しょっぱなから全力でワタシダイイチキボウで一体感をもって盛り上がる会場にそのまま現れていた。そのたまたまが、その偶然がすべてこの8月12日の最終日に結実した。

■すべての歯車が完璧に噛み合った夜公演

最高のセットリストのライブに、最高のヲタの盛り上がりをつくった・2週間かけて成長していった会場の空気、O-nestでのお立ち台という対策、そして2週間のフィナーレという特別感。あらゆる要素が完璧にかみ合った完璧な空間だった。あの場に参加した誰しもが、今年2012年の現場を振り返っても、いいライブだったと言えるようなそれくらい素敵な空間がそこにはあった。

ステージの5人が何もかも完璧だったとは言わない。そしてアイドルのステージとは演者だけがつくるものではない。さくらこ、まゆりん、ほのたん、まいまい、ゆんちゃん。5人は明らかに疲れていた、2週間の遠征を経て疲れを無理に隠そうとはしなかった。でもだからといって、油断なんてまったくしなかった。全力で最後に振り絞って魂ぶつけてきたし、それを感じ取ったヲタが全力で返した。ただそれだけの事だったかもしれない。

でもただそれだけの事が、異様な盛り上がりをつくった。どれくらい盛り上がったのかというと、終演後のO-nestに、それは誰かがペットボトルの水をこぼしたとは思えない、汗の水たまりが出来ていたり、開演前に配られたサプライズ用のクラッカーが湿って不発に終わるくらいには会場が熱気で包まれていた。場所は東京、渋谷はShibuya O-nest。たった200人台の集客だったかもしれない。それでもあの場には臨海寸前のヲタとメンバーのエネルギーと、フィナーレを温かく見守る会場の愛にあふれていた。それは、とてもとても充実した幸せな時間だった。

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※さくらこの夜公演後のサイン色紙へのメッセージ。これがすべて。Instagram

「最高。」まさしくその通りのライブだった。でも、何が凄いって、これだけの熱量のライブを終えてサイン会を終了した後にメンバーは再び車に乗り愛媛に戻って翌日昼の11時からのライブに臨んだ事。考えられない、僕らはいったん終わったかもしれないが、メンバーもスタッフも夏はまだ始まったばかりだった。この日の朝は温泉に入り、そのまま家に帰ることはなかった。彼女たちがようやく家に帰ったのは8月13日の3つ目のイベント、夜の映画の舞台挨拶を終えてから。実に愛媛を出てから、15日ぶりのことだった。

■新星ひめキュンはまだまだ走り始めたばかり

始まりがあれば終わりがある。終わりがあれば、始まりがある。ひめキュンの夏の遠征の修行旅は既に終わった。ひめキュンの熱い日々はまだまだ続く。2周年定期公演を終えて今週末からは秋のツアーが始まる。東京、大阪、名古屋、福岡、広島、山口 (*8月28日時点) を回るツアーの火蓋が地元松山で切って落とされる。これからまた、地元でアルバム曲たちがどのような形で化けていくかが楽しみだ。松山でのノリがあって県外のノリ方がある。それぞれが共存し、いいところを盗み合う。それは同時に両立可能なものであるし、両立させなければいけないものである。それが成立していく、そのモデルをきちんとひめキュンが確立してしまえばいい。それがより、地方にいながら成長を続けるアイドルの新たな姿を示すことになるだろう。

ひめキュン旋風はまだまだ終わらない、5人の熱い姿を目撃できる日々は終わらない!目に、心に焼き付けろ、5人が放つ楽曲を、ステージを!!!近くの街にひめキュン来たらマジで観た方がいいと思うよ!

最後までこの長いレポにお付き合い頂きありがとうございます。
次は、ひめキュン現場で会おうぜ!!!

ひめキュンフルーツ缶 2012秋ツアー
「ひめキュン"IDOROLL"TOUR 2012 Universal Truth !!」


09/01松山サロンキティ 開場17:30/開演18:00
09/15広島BACK BEAT 開場17:30/開演18:00
09/22名古屋ell.FITS ALL 開場17:30/開演18:00
09/23梅田Shangri-La 開場15:30/開演16:00
10/14原宿アストロホール 開場12:30/開演13:00
10/27福岡VIVRE HALL 開場17:30/開演18:00
10/28山口LIVE rise SHUNAN 開場17:00/開演17:30 (オープニングアクト:nanoCUNE)
and more...?


※チケット代すべて
前売3,000円/当日3,500円 (入場時にドリンク代が別途かかります)


ひめキュンフルーツ缶 定期公演予定
09/09ひめキュンシアター(松山キティホール) 開場17:30/開演18:00
09/30 ひめキュンシアター(松山キティホール) 開場17:30/開演18:00


※チケット代すべて
前売1,500円/当日2,000円 (入場時にドリンク代500円が別途かかります)


ひめキュンフルーツ缶 その他主な予定
10/13 @JAM the Field アイドルコレクションvo.2@SHIBUYA-AX 開場14:30/開演15:30


最新のスケジュール・詳細はひめキュンフルーツ缶公式サイト http://himekyun.jp/pc/schedule.html
by gulliverdj | 2012-08-30 05:06 | ひめキュンフルーツ缶
<< 明日、9月15日(土)は「グル... ひめキュン夏の怒涛の遠征ツアー... >>

ガリバー(@gulliverdj)×アイドル





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アンチメン:なし
ヲタ歴:8年
狼歴:7年
所在地:大阪
年齢:29
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